転職してよかったと答えた人はなんと8割超え!異業種から営業パーソンに転職した人たちの本音を調査
営業職は人とのコミュニケーション能力がとても重視されます。また、自社で扱う商材の知識や、市場への理解、法人営業であればクライアント企業の経営への理解など、幅広いスキルや知見が同時に求められる職種と言ってもいいでしょう。一方で、多くの場合、特定のスキルや資格に縛られない職種とも言えるため、異業種で培ってきた業界への知識やスキル、汎用的なコミュニケーション能力が活かせる柔軟な側面もあるといえます。
では、実際に異業種から営業パーソンになった人たちは、具体的にどのような形で今までの経験を活かすことができているのでしょうか?今回は異業種から営業・セールス職に転職した283名にアンケートを行い、異業種から営業・セールス職に転職した理由や異業種を経験したからこその強みなどを調査しました。
今まさに異業種から営業・セールス職に転職したいと考えている人や、営業・セールス職に興味はあるものの、自身のスキルや経験が活かせるのか悩んでいる人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
営業・セールス職に転職して収入アップした人は6割超え!
営業パーソンに限らず、異業種での転職はそれまでの知見やスキルが活きるとは限らなかったり、新たに学ばなければいけないことも多いなど、同じ職種で転職するよりも苦労する面があります。では、それでも異業種から営業パーソンに転職したいと思った人達は、営業職にどのような魅力を感じていたのでしょうか。今回の調査で最も多かったのは「前の仕事よりも収入が上がるから」(41.7%)でした。
確かに営業職は、結果が数値として分かりやすい分、自分の努力がボーナスやインセンティブ、昇給などに直結するなど、頑張れば頑張るほど収入も上がっていくというイメージがあります。実際に、今回の調査では、前職に比べて「収入額が上がった」と答えた人は67.49%と過半数を占める結果となりました。
上がった収入額は「~50万円」(35%)「51~100万円」(35%)が合わせて7割という結果に。仕事のやりがいに大きくつながる報酬面が上がることは、営業・セールス職の大きな魅力のひとつと言っていいでしょう。
営業・セールス職の”コミュニケーション”に惹かれて転職した人も多数
報酬が上がることも利点のひとつである一方で、仕事内容に興味がなければどんな職業も続けることは難しいものです。仕事内容に惹かれて営業パーソンへと転職した人達に、どんな部分に魅力を感じたのか聞いてみると、こんな声が集まりました。
「営業職は自分の提案が直接成果につながる点に魅力を感じました。お客様と信頼関係を築きながら課題解決に貢献するプロセスにやりがいを感じており、提案の工夫次第で成果が変わる点が面白いと感じました」
「自らの提案によって顧客の課題を解決し、感謝されるというプロセスに興味を持ちました。前職ではモノづくりが中心でしたが、営業は人と人との信頼関係を築く仕事であり、毎回違う対応が求められる点にやりがいを感じています」
「売るだけでなく、課題を引き出しながら提案するコンサル的な要素に魅力を感じました。話す力だけでなく、相手の話をしっかり聴き、最適な解決策を考えるという仕事の深さに惹かれました。提案次第でお客様の反応が大きく変わるのも面白く、やりがいを感じています」
今回回答してくれた営業パーソンは、それぞれ営業手法や扱う商材こそ違うものの、営業という仕事の根本的な”コミュニケーション”という部分に惹かれて転職した人が多いようでした。営業パーソンはクライアントなくしては成り立たない職業です。相手がいるからこそ、常に想定外の出来事が起きたり、新たな課題が生まれたりするわけですが、そういった相手とのコミュニケーションによって成果が生まれたり、課題が解決したり、結果として社会貢献につながったりなど、営業・セールス職だからこそ実現できる仕事内容に魅力を感じている人が多くいるようです。
前職のスキルは営業・セールス職でどう活きる?
異業種転職を考えている人たちにとって気になるのが「前職で得た経験が次の職種で活かせるのかどうか」という点です。多くの場合、営業・セールス職では明確な資格や具体的なスキルが求められない分、営業・セールス職には興味があるものの自身の経験が活かせないのではないかと不安に感じている人もいるかもしれません。
今回の調査では、異業種から営業パーソンに転職した人達に、具体的に前職のスキルがどう活かされているのかも聞いてみました。
物流・製造
「物流業での経験から、業務の効率化やスケジュール管理に長けており、これらは営業活動の計画立案や顧客対応のスムーズな進行に役立っています。特に、多くの関係者と連携を取りながら案件を進める際に、調整力やコミュニケーション能力が大いに活かされていると感じます。」
「製造業の顧客に対してITサービスの提案をする際、彼らが抱える現場での生産効率の課題や、システムの導入における不安を自身の経験からリアルに共感して理解することができます。具体的な現場のイメージを共有しながら話すことで、お客様からの信頼を得やすく提案がスムーズに進む場面が多々あります。単にシステムの機能だけを説明するのではなく、現場の人間としての視点から話せることは、大きな強みだと感じています。」
IT・エンジニア
「まず、資格やスキル面では、前職で培った「顧客目線の課題把握力」 が活かせると考えています。フロントエンド開発では、ユーザー体験(UX)を重視し、クリック動線や操作不備から潜在ニーズを読み取る訓練を積みました。これを販売に応用し、顧客の言葉の裏にある本質的な要望を素早く捉え、商品・サービスの価値をアピールできると信じています。 また、技術知識(IT 用語の理解やシステムの基礎知識) も強みです。特に IT 系商品やソリューション販売の場合、顧客が抱える「システム導入の不安」や「既存環境との相性」を、技術的な視点から説明し、信頼関係を築けると考えています。」
「ITサポートの経験から、お客様の問題点を的確にヒアリングし、分かりやすく説明する力がつきました。営業になってからも、複雑な商品やサービスを分かりやすく伝える際に役立っています。また、トラブル時の冷静な対応も強みです。」
教育業界
「教育業界での指導経験から、相手の理解度や状況に応じて伝え方を変えるスキルが身についています。営業に転職してからは、お客様一人ひとりに合わせた提案や説明ができることに役立っていると感じています。また、根気強くコミュニケーションを続ける姿勢も強みです。」
販売
「販売時代に培った「お客様の気持ちに寄り添う力」が、営業でも大いに役立っています。特に、相手の細かい反応を見逃さず、求めているものを察することで、無理な売り込みにならず自然な提案ができるときに実感します。人と話すことが好きな自分には、この部分が強みだと感じています。」
事務
「事務とはいえ、営業部の一員として働いていたことで、売上を上げることに対する意識、コスト低減への意識は営業職の仕事に活きていると感じます。業界は違いますが、自分が営業事務だった時のことを思い出し、どのように情報共有したら良いか意識することができています。」
公務員
「公務員時代に培った慎重な確認作業や正確な報告書作成の経験は、営業活動における細やかな顧客管理や提案資料の作成に活かされています。また、規則を遵守しながらも柔軟に対応する姿勢が、取引先との信頼関係構築に役立っていると感じます。」
保育士
「前職では保育士として子ども一人ひとりと丁寧に向き合いながら、保護者との信頼関係構築にも注力してきました。この経験は現在の営業の仕事に大いに活かされていると感じます。保育の現場で培った「相手の気持ちを汲み取る力」や「状況を察する観察力」は、お客様との商談においても非常に役立ちます。初対面でも安心感のある対応ができること、また丁寧に話を聞き要望をしっかり整理して提案できることは、保育士時代に鍛えられた力です。さらに、保護者対応で磨いたクレーム対応の冷静さや、相手の立場に立って言葉を選ぶ姿勢も、信頼構築や継続的な関係につながっていると実感しています。」
介護職員
「介護の仕事で培った相手の気持ちを汲み取る力や、根気強く寄り添う姿勢が営業でも役立っています。お客様が何を求めているかをじっくり聞き出し、それに合わせて提案できる場面で、自分の経験が活かされていると実感します。」
上記のように、様々な職業を経験してきた人たちがその経験を営業・セールス職という仕事にうまく落とし込み、活かすことができています。違う職種を経験したからこそ得られた知見や顧客目線の発想、細やかなアフターフォローなどは、異業種から転職した人の強みとも言えるかもしれません。
異業種から転職してよかったと答えた人はなんと8割超え!
異業種から未経験で新しい職種にチャレンジするというのは、とても勇気のいる選択です。一方で、上記のように今まで培ってきたスキルを活かすことができれば、唯一無二の営業パーソンとして成果につなげることができるでしょう。実際今回の調査で異業種から転職した人からは、このようなコメントが寄せられました。
「SE時代は黙々とパソコンに向き合う日々でしたが、営業に転職してからは人と直接関わる楽しさを実感しています。お客様の声をダイレクトに聞ける分、提案が響いた時の喜びも大きいです。また、技術的な知識があることで、他の営業では拾えないニーズに気づける場面もあります。異業種だったからこそ、違う視点で提案ができる。そう思える瞬間があるから、転職して本当によかったと感じています。」
また、「異業種から転職してよかった」と答えた人は「とてもそう思う」(26.15%)「ややそう思う」(55.12%)合わせて81.27%と大多数を占める結果となりました。
一方で「転職しない方がよかった」と感じている人からはこんな声も。
「営業職に向いている人ならいいが、自分は人と積極的に関わるより1人でちまちまと作業する仕事の方が合っていたから」
営業・セールス職への転職は、スキルや経験が活かせることだけではなく、自分自身の性格が向いているかどうか、顧客とのコミュニケーションが苦にならないか、といった点も重視することがよさそうですね。
多くの人が異業種から転職してよかったと回答した営業・セールス職求人。とはいえ、未経験で転職するのは不安だと感じる人もいるかもしれません。そんなときは、まずは求人サイトなどで仕事内容や企業の扱う商材などをチェックしてみて、自身の経験が活かせるかチェックしてみるのもいいかもしれません。もし営業・セールス職としてのキャリアに興味がある方は、転職サイト「PR市場」の営業セールス求人でも営業・セールス職求人に特化して掲載していますので、よければ参考にしてみてください。